「東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール」(清水章弘著)
本書は「努力を無駄にしないための方法論」を著者自らの体験談も交えながら、テーマ(1~17までのルール)毎に整理されており、とても分かりやすい内容になっている。
個人的には、第17のルールである「五感」を鍛える、を大切にしたい。それは私自身、軽い運動をしたり、日光をよく浴びると、脳が活性化し、ストレスも軽減するし、脳が身体を支配するのではなく、「身体が脳を支配する」という感覚を常に持っているからだ。
本書の中で、養老孟司さんとC・W・ニコルさんの対談本である『「身体」を忘れた日本人』(山と渓谷社)が紹介されているが、この本も是非読んでみたい。
やはり、五感を鍛えるには、太陽の光が降り注ぎ、川のせせらぎが聞こえる、緑の深い森の中を散歩したりする方が、神経が研ぎ澄まされる感覚を味わえると思う。また、太陽の光を浴びることは、体内にセロトニンが分泌され、睡眠の質を高めてくれる効果もある。その結果、日中の意欲や実行力、さらには忍耐力も高まることは、経験上もほぼ間違いないし、このことは科学的にも証明されている。
また、著者は、「背伸びしてでも、本物や一流と一緒に生活することで、少しでも感性を磨こうとしている。」と言っている。私も、なるべく美術館に通い、生で名画を鑑賞したり、クラシックコンサートに出かけてみたり、ジャズライブでピアノやサックスの生の演奏を聴いてみたり、プロスポーツの試合を観に行ったり、たまには一流のレストランで食事をしてみたり、それなりのワインを買ってみたり、と「本物」に触れる時間を意識して作り出すよう努めてきた。そんなこともあり、収入の一定割合を費やしてきた活動が、本書により肯定されたような気がする。
本書の前半部分は、学生や新社会人には、参考になる内容だと思う。本書に書かれているようなことを素直に実践していけば、勉強は苦にならず、むしろ楽しいものになるだろうし、それによって「学び」が「成長」につながっていくのではないだろうか。
《本書の目次》
第1のルール 枠を飛び出す
第2のルール 自分の居場所は自分で作る
第3のルール 文句があるならルールを変える
第4のルール 「やらないこと」を決める
第5のルール 単調な勉強はゲーム化する
第6のルール 「一番できる人」を観察する
第7のルール 前日は、新しいことをやらない
第8のルール 当たり前のことを徹底する
第9のルール 生活リズムを一定にする
第10のルール 「すぐ・その場で」やる
第11のルール 本は感謝しながら読む
第12のルール インプットのスピードを上げる
第13のルール 量だけでなく、幅が大切
第14のルール メンターを見つける
第15のルール 「偶然」を楽しむ
第16のルール タフな心と身体を作る
第17のルール 「五感」を鍛える